早い段階から伝統文化-本物の文化-の一つである狂言に触れてもらいたいという思いから、3歳から鑑賞できる狂言の会を企画したものです。これまで伝統芸能の世界に縁遠かった方たちにも、気軽にご覧いただける内容です。
名前の由来
「まいまい」には色んな意味があります。「舞」、赤ちゃん語で「ママ」、そして狂言の演目「蝸牛(かぎゅう)」=かたつむり=の別名も「まいまい」。
そして「My」=私の=狂言会として、皆さんそれぞれに楽しんでもらいたいし、ぐるぐる「回って回って」伝えていきたいと願い、この名前をつけました。
この会は、狂言を見る会であると同時に、私たちママの実行委員会です。
狂言ってむずかしそう?
とりわけ難しいと思われがちな伝統芸能の中でも、狂言は、歌舞伎や文楽などに比べて予備知識がなくても話が理解しやすいという特徴があり、子ども達にもとても人気があります。
子ども達は、狂言を身体全体で楽しんでいて、言葉の全部を理解できなくても、その所作や表情、リズム、すべてのものから「何か」を感じ取っています。
その「何か」とはやはり「本物」なのだと思います。大人のように頭で理解するのみでなく、身体全体で感じられる子ども達だからこそ、本物の良さがストレートにわかるのでしょう。伝統の大切さを、子ども達の反応が証明しているように思えるのです。
昨今のテレビのバラエティ番組でよく見られる、人の身体的欠陥をネタにしたりするような薄っぺらい笑いではなく、狂言は腹の底から込み上げてくるような全身の笑いです。子ども達はその笑いの違いを身体で知っています。本物の笑いを小さいうちから知って欲しいと思います。
この会のママ達は、小三郎さんの狂言を子どもと一緒に見た人が多く集まっています。自分の子どもがこんなに楽しんでいる狂言を、他の多くの子にも是非体験してもらって、伝統の持つ本物の良さを、後世にも伝えていければと願っています。
子どもが小さくてもだいじょうぶ?
まいまい狂言会は3歳児からを対象にしました。関連イベントの「まいまい学び場」は0歳児から同伴可能です。
以前から、赤ちゃんがお腹にいる時の胎教が注目されていますが、生まれてからだって、いい物を見せて聞かせて触れさせてあげた方がいいことに変わりはありません。子どもは、大人が思っているよりももっと感受性が強く、すばらしい吸収力を持っています。生まれた時から本物に触れて欲しいのです。
プログラムは、小さい子の集中力にあわせて欲張らず、休憩も長めにとって、子連れでもゆったりご覧頂けるようにします。レクチャーでは、お子さんも一緒に声を出せて、舞台と客席と一体となるような参加型にできるよう工夫する予定です。
子育てママを応援したい!!
日本では、子どもが小さいうちは、ママは自分のしたいことはあきらめるのが普通、時にはそれがいいママの条件とさえ思われることもあります。
メンバーの一人は、夫の海外赴任にともない、乳飲み子を抱えてアメリカで暮らしたことがありますが、その時に驚いたのが、子育て中だからこそできることをする、新しいことにチャレンジするというポジティブな考え方で育児を楽しんでいるママが多いこと。子どもを持ったからあきらめることが増えるなんて、確かに寂しい考え方。だから多くのママに、子育てを大いに利用して、子どもと一緒に楽しむことができる機会を作りたいと思っています。
そして企画をする私たちも、準備を通して色んな価値観の人と触れあっていきたい。家庭で母と子二人きりの時間が長いと、どうしても一つの世界にどっぷり漬かってしまいがちだから、その意味でも外で接することが貴重な体験になるのです。この会を通じて子育てママを応援できれば幸いです。